よめこな日常

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遅れてやって来た「強皮症」

こんにちは、よめこです。

 

今回はSLE発症から数年して併発した「強皮症」のお話をしたいと思います。

 

強そうな名前だ。
それが最初の感想でした。


SLEを発症後は、特に大きな合併症や入院を要する再燃も無く過ごして来ました。
しかし発症から数年経ち、新たな病名が追加される事となりました。


今から8年ほど前、当時27歳ごろのお話です。

※お読み頂く際の注意事項※
記載者は医療やそれに準ずる専門的な知識を有していません。書かれている事はあくまで個人の見解であり、治療などの有効性を示すものではありません。必ず主治医、専門医の指示に従うようお願いします。

 


追加されたのは「全身性強皮症」


どんな病気かざっくりご紹介しますと…

皮膚や全身の臓器がだんだん硬くなる病気


なんかの黒魔術にでもかかったような病気ですね。


これもSLE同様に膠原病の一種なのですが、まだまだ謎の多い難しい病気。
なる原因も根治法も確立されていません。なのでなぜ私が併発したのかも謎。

素人では説明が困難なため、詳しい事は専門サイトにてご確認頂ければと思います。

 

■強皮症.jp|全身性強皮症に関する総合サイト
https://kyohisho.jp/systemic-scleroderma-info/what-is-systemic-scleroderma

 


強皮症の症状は全身に渡り色々あるのですが、人によってかなり違いがあるようです。
私の場合は以下のようなものが現れました。

 

レイノー
これはSLEでも出るので強皮症だからってだけではなさそう。
夏場は冷房でも出るの為、ほぼ1年中レイノー指。白→紫に色が変化します。温めると、指が真っ赤&パンパンに浮腫んだのち、落ち着いていきます。

 

・指の潰瘍
右手の指ほぼ全部と、一時期は足のかかとにも出来ました。今でも指先には傷跡が残り、踵はカチカチになっています。

 

・爪上皮出血点
爪の甘皮に黒い点々が出来ます。
診察の時に先生もよくそこを見てるので強皮症の典型的な症状のひとつのようですね。

 

・口の周りのしわ
唇周りのしわ(軽め)が出ると同時に、唇がだいぶ薄くなりました。

 

・腕と指の浮腫み
特に肘から先の浮腫みが強く、腕では時計のサイズが大きく変わったり。
指ではグーが出来なくなり、得に人差し指がほぼ曲がらなくなりました。あと、結婚指輪も浮腫みで旦那とほぼ同じサイズに…。

 

・肺の影
自覚症状は全くないのですが、肺の一部にすりガラス状のもやもやがあります。
先生曰くこれは間質性肺炎に関係するものではないかとの事。

 

逆流性食道炎
実はこれも食後に痰が絡みやすくなるくらいであまり自覚症状は無いのですが、胃カメラの検査で指摘されました。

 


強皮症の診断をされて8年ほど経ちますが、今はほとんどの症状は幸いにも落ち着いています。
残っているのは薄くなった唇と、人差し指の違和感。

 

強皮症は全身のパーツ(腕や手や足、頬など)の硬さを触診でスコア化する診察があるんですが、それも2年ほど前で終了しました。
(定期通院で指を中心には触診しますが、細かい部分は終了)


他には肺の影も相変わらずあるので、年に一度CTや肺機能の検査。逆流性食道炎もあるので、これまた年に一度の胃カメラ。…などを行いながら内臓の病変を中心に経過観察をしています。

強皮症が発覚した当初に、ネット上で症状を調べたところ。
「顔が能面のように表情がなくなる」「口が開きにくくなって物が食べにくくなる」「肺が硬化して呼吸器症状が出る」…などなど。
怖い事例ばかりが出てきてある意味SLEになった時よりもショックを受けました。

SLEに関しては、やっと付き合い方がわかってきて安定し始めていたのに、そこにまさかの合併症で頭がついて行かなかったのでしょうね。

しかしながら私の場合は上記した症状以外に大きなものは何もなく、一時期指が不自由になったのが一番のピークでその後すぐに寛解しました。


強皮症は症状のピークというのがあるらしい病気。
発症するとそこに向かって悪くなっていき、そこを過ぎると寛解に向かっていくのが一般的らしいのです。

先生曰く、私は…
「もともとSLEでステロイドをはじめ免疫抑制剤も服用していた。そのためその作用がうまく働いて、強皮症のピーク値の症状を緩和してくれたのではないか」
との事。




おぉぉぉ…SLEさん、ありがとう…

ってなるかーーーい!!!!!!!!!!!
いらん!合併症とか余計なのいらんから!!!!


もー、ほんと自己免疫疾患って厄介。仲間呼ぶな。



で、その強皮症ですが。発覚するまでは以下のような体験がありました。

まず出たのは指の異変。異様に指が浮腫む。
酷い時は手の甲の皺が一切なくなるくらいまでパンパンに。

そんな浮腫みのせいもあるのか段々指も動かしにくくなり、ついには両手とも薬指・小指以外はしっかりと曲げられなくなりました。
グーが出来ない。人差し指に至っては第二関節から90度程度が限界。

最初はSLEから来る皮膚病変かと思っていたのですが、段々腕も浮腫みがひどくなり…。
肘から下の部分は浮腫んで若干赤紫みたいな色になる事も増えてきました。

ご参考までに、強皮症のピーク値に近かった頃の指です。

◾️その1◾️

画像1

手前が私。奥が同じ年の友達(女性)です。
指のしわ具合が結構違いますね、関節をみるとパンパンに見えます。そして光沢ってるな私の手。
だいぶ無理してピースしてるので突っ張って色も変わっています。


◾️その2◾️

画像2

友人と宅飲みした時のもの。
右手前が私の手。改めて見ると明らかに他の人と色が違う…この頃は肘あたりまで腕もこの色になっていました。

…写真が酒の席ばっかりなのはまぁ。あれで。
この時期は写真に写るのが嫌で、あまりまともに手が見れるやつが無かったのでした。


こんな感じの指を経て強皮症の疑いがあるという事で、先生から言われたのが…

「皮膚生検しましょうか」



はい!また出ましたよ皮膚生検!
SLE確定の時も皮膚生検に持ち込んだよね!!

なんで毎回切らないとわからんのかね!私の身体は!!

 

そんなこんなで皮膚生検へ。
右手の手首から肘に向かって5㎝辺りのところをざっくり差し出しました。

まぁ、SLEの時にやった顔と比べれば傷も隠せる場所だしまだ良かった…
でもこの生検も先生が綺麗にやってくれたので、今は全く傷がわかりません。



強皮症は典型的な全身症状が出る「びまん皮膚硬化型全身性強皮症」と、比較的軽症型の「限局皮膚硬化型全身性強皮症」に分類されます。

限局型であれば硬化は一部にとどまり、内臓症状もあまり出ない事が多いらしく。最初私の症状や血液検査の結果を見る限りでは、限局型では?とされていましたが、どうやら生検までしないと確定が付かなかったようです。


そして皮膚生検後、限局型である事を願っていましたが…結果は残念ながら「全身性強皮症」の診断。


でもこれも上記したように、基本的にもうステロイド飲んでいたし。
他にもプラケニルと、あと少し前からアザニンも追加したりしていたので、特に新たな治療はなく経過観察。
あ。浮腫みが一番酷かった時期はステロイドだけ5mg程度増やしました。


腕の浮腫みはや潰瘍は1年ほど、指の浮腫みは3年ほどかけて徐々に緩和。
今でも指は普通の人に比べれば、赤みや浮腫みはありますが、ほぼ完全にグーが出来ます。

浮腫み時が一番ひどい時に買った結婚指輪もゆるゆるになり、腕を振ったらすっぽ抜けるほどに。


一見ほぼ治ったように見えるものの、そこは難病。結局は寛解しているだけ。今後も特に内臓の変異に気を付けながら、経過観察は続きます。

毎度思いますが…最先端をゆく日本の医療。
早くこういった病気の治癒…まではいかなくとも進行を完全に止めるくらいの薬が出来てくれないかなぁと。そう遠くない未来にそんな薬が出来ると信じて。